Sony Music 1986 日本盤Vinyl:CBS/20AP 3069,CD:SONY/32DP 509 When Problems Arise / Selection / Cholly / I Wish I Had A Date / Movement In The Light / Give It Up / In The Air / Turn The Other Way / Knock It / "Simon Says" The Kingpin / Post Cold War Politics(Instrumental) |
フルアルバムとしては初の作品になる。プロデュースは引き続きディヴィッド・カーン。全体的に落ち着いた音作りがなされており、前作の衝撃と比べると正直やや物足りなさも感じる。よく言えば都会的で洗練されたサウンド、悪く言うと「おとなしい」音。前作での突っ走るような躍動感から、少し足を止めてじっくり彼らの引き出しを見せたといういべきか。 サウンドの特徴としては、彼らのルーツのひとつである、ファンク色がかなり前面に押し出され、なおかつわりあい「オシャレ」にアレンジされている事が挙げられる。全体的に、ゆるやかなグルーヴ感を感じさせる作品だ。また時代を反映してか、やや「80年代ニュー・ウェイヴ」を感じさせる楽曲もある(特に「A Selection」「In The Air」)。ストレイトなスカ、パンクは息を潜める事となった。 前作では見られなかったような曲に目を向けてみよう。たとえばバラード曲「Movement In The Light」に見られるメロディーの美しさは秀逸であり、彼らが素晴らしいメロディーメイカーでもあることを証明している。本作中で圧巻なのは「Turn The Other Way」。ホーンのフレイズが印象的な、実にクールなレゲエチューンで、まさに彼らにしか作り出し得ないサウンドである。 サウンド的変遷とは関係なく、バンドの姿勢としては一貫しており、高い政治性、社会への批評性など、彼らのとんがり方は他の作品と変わらない。核問題への言及も前作から引き続いている。(mine-D) |